NYで味わう本格江戸前鮨
「総合芸術として鮨を楽しんでもらいたい」

SUSHI NOZ

NEW YORK, NY
投稿日:

ニューヨーク州マンハッタンのアッパーイーストサイドに、本格江戸前鮨「SUSHI NOZ」がオープンした。メニューは300ドルのコースのみ。午後6時からと9時からの2回入れ替え制で、全員がカウンター越しにオーナーシェフ阿部望さんの職人技を眺め、会話を楽しみながら食事をするスタイルだ。

メニューは毎日少しずつ変わるが、季節に合わせてその時美味しいものを提供していく───蛍烏賊、金目鯛のたたき、水蛸のさくら煮、蒸し鮑の肝飯、赤座エビのユリ根ピューレ添えをおつまみに、墨烏賊、白海老、桜鱒、赤身、中とろ、牡蠣、雲丹、のどぐろなど、ほとんどが築地から空輸で直送された最高品質の食材だ。こうした食材を、江戸前本来の伝統技法や知恵、経験を活かして最高の状態で食べてもらうことに心を砕く。魚が乾き過ぎることなく一番優しい状態で保てるという理由から氷室も備える。

特筆すべきは、魚の熟成技術(エイジング・フィッシュ)だ。最高品質の魚を丁寧に管理して寝かせ、旨みを最大限に引き出す。手間も時間もかかり、何よりも熟成のピークである食べ頃を見極める目が必要となるが、「魚の種類によっても違いますが、12日〜2週間ほど寝かせると、そこに残るのは本当の旨みだけです」と阿部さんはその必要性を説く。

北海道伊達市出身の阿部さんは、水産加工工場を営む祖父のそばで魚介類を身近に感じながら育った。17歳で料理の道に入り、北海道、東京の寿司屋で修行を積み、ニューヨークに渡ってからはアメリカ人の好む寿司についての知識も身につけた。

「カウンター越しに常に見られているので緊張はしますが、お料理だけでなく、この空間を一つの体験『総合芸術』として楽しんで頂きたいという想いがありますね」と阿部さんは笑顔を見せる。

阿部さんのステージは、店の扉をくぐった瞬間に始まる。香る檜を感じながら、窯元で買い付けた食器や壺がセンス良く置かれた数寄屋造りの空間に通される。そこには風格のある5メートルサイズの檜の付け台、そして神代欅を使用した鴨居が鎮座し、阿部望さんのショーが幕を開ける。

 

SUSHI NOZ
住所:
181 E 78TH STREET
NEW YORK, NY 10075
(BET. 3RD & LEX AVE.)
電話:917-338-1792
営業時間:ディナーのみ
月曜日~土曜日 6:00PM/ 9:00PM(2交代制)
定休日:日曜日
電話:917-338-1792
www.sushinoz.com
<電話かウェブサイトより予約>

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